~かたつむりのひとり言~

『雨は嫌いだな…』
梅雨真っ只中、じめじめむし暑いこの季節、あじさいがブツブツ文句を言いながらじっと耐えています。

そこへ、かたつむりがルンルン気分でやって来ました。どうやら彼は、雨が好きな様子です。
色とりどりの傘や長靴を履いて登校していく小学生を、楽しそうに見送っています。

『のん気なもんだね、君は。僕は雨降りが大嫌いだ、パッと晴れてくれないかな。』
あじさいは、相変わらず不満そうです。

『僕は雨が好き、日照り続きで暑いのは我慢できないよ。』
かたつむりが言いました。

『全く正反対の意見だね。』 あじさいはツンとして返します。

かたつむり『そうでもないよ。』 ニッコリと、かたつむり。
あじさい『どういう事?』 不思議そうな、あじさい。

かたつむり『雨が好きか嫌いかは、同じ一くくりの意見だと僕は思う。』
あじさい『???』

かたつむりは続けます。
 『〝好き〟の反対は〝嫌い〟、じゃないと僕は思うんだ。』
 『〝好き〟の反対は、もしかしたら〝無関心〟なのかも。好きでも嫌いでもいい、大事なのは物事に関心を持つ事。だから、〝嫌い〟の反対も〝無関心〟・・・』

あじさい『難しい事を言うんだね。』

降り続く雨の中、あじさいは苦笑いしながら、かたつむりの語りに耳を傾けるのでした。

shimizu

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