~花火大会でのひとり言~

夜空に舞う花火たち  それを眺めている蝉… ではなく抜け殻です

蝉(抜け殻)は落ち込みながら言います。
『夏の終わりと同時に僕らの一生も終わる、短い命が。。』

花火が空から答えます
『何を言ってんだ、ワシらはお前たちよりもっと短い、数秒の命もないんだ。』

『あなたたちは一瞬でもきれいな花を咲かせ、たくさんの観客から拍手を浴びる』
『僕らは目立たない木陰で鳴く事しかできない。昔のように人間の子供たちが遊んでくれる事も少なくなったし…ああ羨ましい。』 蝉は少しすねています

花火は忙しそうに空から
『自信を持て!お前たちの鳴き声を聞いてみんな夏の訪れを感じ、その鳴き声もオスからメスへの求愛だと聞くぞ?ワシらに性別はないからな、火薬に火さえ付けりゃいいんだから。オスだのメスだの、そっちの方が羨ましいぜ。』
『まあだから、その長さや目立つ事より、一瞬一瞬を大切にしっかり相手の心に刻み込むように。蝉の鳴き声=夏!それでいいんじゃないか。』

蝉はハッと我に返り思い出しました

好きなメスに、自分の鳴き声を一生懸命送っていた事を…

                                        清水

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